Jetエンジン製作記 18万回転への兆戦 !
                                                 



模型JETエンジンの構造及び作動


各国の模型JETエンジン製造メ−カ−のほとんどがARTES JET社のKJ-66型エンジンの構造を踏襲した設計になっております構造及び作動についてはほぼ確立されたエンジンです。
今回、JETエンジンを自作するにあたり、KJ-66型エンジンの構造に準じた設計をしました。

1、 エンジン内部構造及び主要部品名称




図番号 名   称 作        用
1 フロントケ−ス 前方より空気の導入及び流れを作ります 
2 フロントカバ− 燃料パイプ、電気部品の保護カバ−です 
3 エンジンケ−ス エンジン部品を格納及び外部空気と遮断します 
4 エキゾ−ストノズル タ−ビンロ−タ−より排出される燃焼ガスの流速を高めます 
5 フュ−エルパイプ(主燃料) 燃料ポンプより圧送された燃料を燃焼室のフュ−エルノズルへ送油します  (主燃料は灯油を使用します)
6 コンバ−ションチャンバ−  燃料の燃焼を行う容器 (燃焼器)
フュ−エルインジェクションチュ−ブ フュ−エルノズルより噴射された燃料の霧化を促進します 
フュ−エルノズル 燃料ポンプより圧送された燃料をフュ−エルインジェクションチュ−ブ内に噴射、(ノズルは6本) 
フュ−エルパイプ(スタ−ト用) 主燃料が着火し易くする為、エンジン始動時のみLPガスの燃焼により燃焼器内の温度を高めます 
10 コンプレッサ−ロ−タ− 前方より導入した空気を圧縮します (遠心圧縮方式)
11 ディフュ−ザ− コンプレッサ−ロ−タ−より送られた空気の圧力を高める事と、整流フインにより空気の流れを整流します 
12 オイルチュ−ブ シャフトベアリングの潤滑用オイルを送油します 
13 フロントベアリング シャフト回転の支持をします (セラミックスボ−ルベアリング゙を使用)
14 シャフトトンネル ベアリング゙の支持及びエンジン本体に固定、エンジン内部前後寸法の基準になります 
15 シャフト コンプレッサ−ロ−タ−及びタ−ビンロ−タ−を直結します  
16 リヤ−ベアリング シャフト回転の支持をします (セラミックスボ−ルベアリング゙を使用)
17 ノズルガイドベ−ン
   (NGV)
燃焼により発生した高圧の燃焼ガスを最適な角度に整流しタ−ビンロ−タ−のブレ−ド゙に導きます
18 タ−ビンロ−タ− ノズルガイドベ−ンより排出された燃焼ガスのエネルギ−で回転、シャフトに直結されたコンプレッサ−ロ−タ−を駆動します (軸流式)
19 プラグ 始動時、LPガスの点火を行います (ラジコン用のヒラメントタイプグロ−プラグを改造して使用します) 
20 排気温度センサ− タ−ビンロ−タ−通過後の排気温度測定用センサ−
21 赤外線発信部 エンジン回転数測定の為の赤外線を発信
22 赤外線受光部 エンジン回転数測定用センサ−(赤外線のパルスをキャツチ)


2、 模型JETエンジン作動の概要

エンジン前面より取り込んだ空気をコンプレッサ−ロ−タ−の回転で圧縮して燃焼器に送り込み、燃料を燃焼器に吹き込んで燃焼ガスを作り、高温・高圧の燃焼ガスはタ−ビンロ−タを回転させます。

タービンロ−タ−はコンプレッサ−ロ−タ−と直結しておりコンプレッサ−ロ−タ−に回転を伝えます、但しタ−ビンロ−タ−を回転させた後にはまだエネルギー(文献によれば3割程)が残っており排出されたエネルギ−が推力となります。


上記の作動するエンジンをタ−ボジェットエンジンと言います。

JETエンジンの燃焼はレシプロエンジンとは異なり、連続的に圧縮・燃焼・膨張・排気されます燃焼は一定圧力のもとで行われます。

燃料は灯油を使います、理論空燃比は空気:燃料 = 14.6:1です、但しこの混合比で燃焼させると、燃焼器・NGV・タービンブレードが融けるほどの高温となるため、実際は60:1程度の薄い(リーンな)混合比で燃焼させています。

参考  灯油の性質
引火点 45 50 度C
着火点 250 260 度C
沸  点 150 350 度C