Vacuum engine
                                           




上横置き単気筒バキュ−ムエンジン(発電機搭載)の紹介


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はじめに

国内ではバキュ−ムエンジンの知名度は低いと思います、先人の方が発明した貴重な技術です一人でも多くの方がこのエンジンの存在を知って頂ければと思っております。

本エンジンの特徴とバキュ−ムエンジンの歴史及び作動原理を記述した紹介編、原理に基ずき製作した当エンジンの製作記事編の2編に分けて有ります興味のある方は製作記事編も見て下さい。

製作記事編は こちら
エンジン運転ビデオは こちら

1、エンジンの特徴
文献によれば本エンジンの作動原理は原動機の先祖になり古いものです、燃焼の炎を食べ(シリンダ−内に導入)る事を動力発生の源にした外燃機関タイプのレシプロエンジンで国内では殆んど見る事ができない珍しいエンジンです。
バキュームエンジンの作動原理を探求することと、エンジン始動、低回転のエンジン音及び作動を鑑賞することを目的として製作しました。
屋外での運転は風の影響(アルコ−ルランプの燃焼が不安定になる)を受けやすく室内での運転を前提としています回転時の騒音レベルは低いと思います。
専用発電装置をフライホイ−ル内にセットし2個のLEDを起電力で点灯できる構造にしました、模型エンジンでは同タイプの発電装置を採用した例は殆んど無いと思います。
室内で簡単にエンジンが始動出きる事、アルコ−ルランプの燃焼炎を食べてエンジンが回転するしぐさ、独特なエンジン音、発電した電気でLEDが点灯等作動中のエンジンを見ていますと心が癒されるのではと思います。

2、エンジン仕様
      エンジン種類
ボア−    
ストロ−ク  
出力      
回転数   
燃料      
燃料タンク  
燃料消費量 
回転数調整   
潤滑方式  

潤滑オイル
始動方法   
重量  
寸法

装備品



台上横置き単気筒バキュ−ムエンジン  
18.0mm 
20.0mm
測定値無し
400rpm 〜 900rpm
燃料用アルコ−ル(エタノ−ル22.2%、メタノ−ル76.3%、水分1.5%)
全容量 30cc (注意 燃料給油時は最大70%で21cc)
21cc 20〜35分  
アルコ−ルランプの前後スライド調整ネジによる回転数可変方式
シリンダ−、ピストン、コンロッド、バルブ関係は始動ごとの手差し、クランクシャフトはグリ−ス封入ベアリング(計2個使用)
ミシン油 (ISO粘度グレ−ド7相当)
手動
600g
135mm(縦)×180mm(横)×103mm(高さ)

内蔵式(フライホイ−ル内)専用エア−ギャップ(ブラシレス)交流発電機
黄色LED2個(電圧2.2V)エンジン回転数により点灯



3、製作の動機
今から2年半程前、海外の模型エンジンサイトを見ていたところ写真でVacuum engien又はFlammenfresserと変った名前のエンジンを発見しました、アルコ−ルランプを使っているところは一見スタ−リングエンジンのように見えますが全く別のエンジンである事が解りました。
当時サイトで見た物は写真だけで、作動している動画及び図面も有りませんでした文献で調べてみたところ、シリンダの外に設置された熱源から上死点付近で熱気をシリンダ内に取り入れ、冷却時の減圧によって回転するという事が解り非常に興味がわきました。
自己流で図面を作成し色々試作しましたが思うように回転しません一筋縄では駄目という事が解り一時作業は中断しました。

中断から一年程経ったころ国内でVacuum engienの研究をしているミニチュア職人Y氏(リンクペ−ジ参照)を知り奮起し再度挑戦しました、Y氏がいなければ今のエンジンは無いと思います。  (ミニチュア職人Y氏に感謝)

再開にあたり問題点を抽出、一番の問題点は内燃機関のような爆発的な力はVacuum engienには無いと判断。
限り有るパワ−を有効に使うためには作動部分の抵抗を極力減らしシリンダ−、ピストン、開閉バルブの気密を更に高める事と適正なバルブタイミングを探る事を重点として再度試作を繰り返し最終的に作動するエンジンができました。

合わせて少ないパワ−でも発電しLED2個を点灯させる内蔵式専用発電機にも挑戦しました。

構想から完成まで2年半程かかりましたが、まがりなりにも作動し運転していて楽しいエンジンができたと思っております。